「からかわないで下さい…」


「からかってないよ。ただ…」


キス以上のことを望んでる俺はまゆにとったらなんなんだろうね。


と零さんは笑った。


それ以上のことって…。


さらに顔が熱くなった気がする。


「まゆ、顔真っ赤だよ」


「………………零さんのせいです」


「拗ねないでよ。ほら、着いたよ」


顔を上げると水族館の看板が目に入った。


「水族館だぁぁ」


「ベタすぎかなって思ったんだけど、まゆなら喜ぶんじゃないかって思ったんだ」


「ありがとうございます!なかなか行く機会もないから嬉しいです!!」


水族館なんて高校の修学旅行ぶりだよ!


車を停め外に出ると、賑やかな声と明るいBGMに心が踊る。


「行こっか」


「は、はい!」


差し出された零さんの手を繋ぎ、水族館の中へと向かった。