楽しみがあると時間が経つのはあっという間で、すぐにデート当日になった。


そして今私は、零さんの車に乗っているんだけど…。


「…………」


「…………」


何を話せばいいのかわかんない!!デートの時って、どんな話するの!?


話題を見つけようと悩んでいると、隣から笑い声が聞こえてきた。


「な、なんで笑ってるんですか…」


「はははっ、ごめんごめん。百面相してるまゆが可愛くて」


百面相って…。そんな変な顔してたの私!?


恥ずかしくなって俯くと、ポンポンと零さんは頭を撫でてくれた。


「零さ…」


「ほんと可愛くて…今すぐキスしたいくらい」


運転中だから無理だけどねと言って、私の頭から手を離す。


ずるい…。零さんはずるい…。すぐ私をドキドキさせる。そんなこと言われたら…私だって…。


零さんとキスしたい…。


そう思った瞬間、ハッとした。今私…キスしたいって…。いや、これは零さんがしたいならしてもいいってことで、私は…。


「まゆ、また百面相してる。今度は何を考えてたの?」


「な、ななな何も!!私も零さんとキスしたいなんてそんなエッチなこと考えてません!!!…………あっ」


何素直に言ってんの私ー!!絶対零さんにエッチな子って思われた!!!


「れ、零さん…あの…」


「そんなエッチなこと考えてたんだ。まゆは」


あまりにも恥ずかしくて手で顔を隠して俯いた。