肩まである長い黒髪。
女の子がどうして、こんな時間に…?


怖いと思いつつ、足音をたてずにゆっくり、ゆっくりと少女の背後に近寄る。

近づいて行くと、やっぱり女の子ってことがわかった。

女の子の黒髪が風に靡いている。


俺と少女の距離が1メートルもないぐらいになったとき、俺は声をかけようとした。

だが…。

「こないで!」

少女は振り向かず、そう言った。

声の感じからして、怒っている。


俺、何かした?

「ごめん!だけど、女の子が一人だと危ないよ?」

俺は女の子の肩に触れようとした。


バシッ!

女の子に手を強く叩かれた。

叩かれた手が痺れてジンジンした。