段々と海が見えはじめた。海に月の光が反射して、キラキラと輝いていた。

俺は身なりは悪いが、こういうのは結構好きだ。

柄に合わないが。

海を見ながら、岸に沿って歩いていると、砂辺に黒い人影が見えた。


俺が家を出た時間は、23時。

こんな時間に海に誰か居るか!?

まさか…幽霊!?

俺はあり得ない想像をしながら、一人パニックに陥っていた。

昔からオカルトやホラーは嫌いだ。

嫌いだから、つい、俺は考えてしまった。


考えたら、更に怖くなるので、その人影を凝視しながら俺は早足で歩いた。

だけど、よく見ると、あの人影は少女に見える。