……頭に、何かある。
目を開けると、白い天井?
ここはどこ?
……っ愛莉子は!?
ガバッ!
勢いよく起き上がると、頭が何かに当たったような感覚、そして続いてくる痛み。
「ったぁぁぁあいっ!」
「うるせ。痛いのはこっちだってのに」
後ろを振り返ると、そこには真っ黒な短髪に、鋭い漆黒の目。
あぁ、暁人くんか。
……暁人くんんんんんん!!!???
「目冷めた?気分は?」
そう聞かれてはっとする。
私……愛莉子を家まで届ける途中で、倒れた?
「だ、大丈夫です。というか、なぜ暁人様が?」
そうたずね、指で指された方向を見ると……
「愛莉子……様と、和人様?」
2人が眠っていた。
「っ愛莉子様は大丈夫なんですか?」
精一杯呼吸を落ち着ける。
「え?あぁ、疲れたとか言って寝たけど。倒れてるあんた放り出して自分だけ傘差してたし、濡れてないはずだ」
……まあ別にさ、別にいいけどさ。期待してないけど。
倒れてる人より自分のこと気遣えるって……人としてさ。どうかと思うよ。うん。