「あ…うん…ありがと」

「ここに座って、少し深呼吸したらいい」


キラキラと後光が差すような、真っ直ぐな瞳。

そこに自分が映ってるのを見ていたら、そのまま俺の意識はフェードアウトしていった…。


あぁ…やばい。折角の出逢いだったの、に…。
そう、反転していく意識の中で、そう思いながら。


でも、それは数分のことだったようで。
微かに聞こえる心地好い囁きで俺は覚醒していく。


『…み…』

「…ん…」

『キミ…』

「んん…」

「大丈夫か…?」

「……へっ!?」


気付けば、そこはどうやらまだ電車の中のようで…。
でも、なんだか周囲の視線がやけに痛くて、上手く動かない身体を起こそうとして、はた、と俺の目の前に迫っている光景に、完全に意識が覚醒して顔に血液が集まっていく。