ただの直感。
コイツは俺に似てる。
俺の言葉に女は足を止めた。
でも、振り返ったりはしない。
『 何で? 』
「 ん? 」
『 何でそんな風に思うの? 』
「 いや、何となく。 」
ちゃんとした理由があるわけじゃない。
ただ、コイツを見て、感じた。
このまま帰ったら後悔する。
こんな感情は初めてだ。
俺の曖昧な答えに
少しの沈黙が生まれた。
それからまた女はゆっくり歩き出す。
『 あのっ、何でついてくるの? 』
「 いや、夜だから。 」
『 だから? 』
「 危ねーから。 」
ありきたり過ぎる言葉。
『 いやっ、慣れてるから。 』
「 だろーな。 」
なんて、素っ気ない会話。
確かに、まだ会ってから数分して経ってないのに
送ってやろうなんて、、
キモイかもしれない。
てか、俺らしくない。
普段ならありえない。
そんな事を考えながら、、
一定の距離を保って歩く。