ーーーーーーーーーーーーーー


あの日も、テキトーな女と遊んで、捨てた。

もう人影も消えた夜の街。
周りの店は綺麗にシャッターが降りている。

錆びた商店街。 孤独。

最高だ…。


そんな事を考えながら商店街
ど真ん中を歩く。


「 はっ。 」


いつも何気なく目にする商店街に繋がる
暗く細い通り。

そこに変なヤツがひとり。
壁にもたれかかって座り、下を向いている。

関わりたくねー。

なんて思いながらも、、


「 何してんの? 」


とか、形だけの言葉を発した。


弱々しく顔を上げて俺を見る。
コイツは、、女?っ。

こんな時間に、女がひとり。


黒髪ショート。細い手足。白い肌。
全部諦めたみたいな目。

コイツの持つ黒い何かが、
俺の胸をザワつかせる。


『 夜が好きなんで。 』


消えそうな声でそんな事を口にした女は
残った力で這い上がると、背中を向けて
ゆっくり歩いていく。


「 そんだけには見えねーけど。 」


自分でも分からない。
でも、少しずつ広がるそいつとの距離に
とっさに声をかけた。


「 お前、何か知らねーけどさっ
逃げてーんじゃねーの? 」