「……駿ちゃんが」

「駿ちゃんって、呼んでたんですね」

 私がこのレストランで働き始めてから隠し続けていたことが、全てバレてしまった。

 それも相手が関わりのある式場に勤める人だと知られては、気まずくてたまらない。

「幸さん、私、ウザいですか?」

「……いえ、そんな」

「篝君のこと、たぶらかさないで下さい」

「たぶらかさないでって……何も……してません」

 無表情に近い双川さんの表情が、少しきつくなったかと思えば、双川さんは持っていたお盆を軽く押し付けてきた。