「え……幸いよりって、幸さん……?」

「ねぇ、篝さんそうなんでしょ」

「そうですけれど。自分の口でちゃんと言うつもりでした」

 徐々に仕事を覚え、おそらくレストランウェディングを引き継ぐのは美野田さんではあるが、幸さんのことで俺達の関係はあまり良くない。

「篝君、幸さんのことが好きなの? だから、私と二人で会えないの?」

「……うん、ごめん。二人きりでは、会えないかな」

「私、やり直せないかな、なんて……思ってたんだけれど」

「ごめん」