「あー、オムライスいいなぁ。うん、あたしオムライスにする。二人は?」

 メニュー表を見て、ふんふん鼻歌さえも歌う一葉ちゃんは、このいよりのどんより重い空気を、どうして気付けないのだろう。

 二人は幼馴染で仲も良いらしいが、性格は対照的だ。

「俺もオムライスにしようかな。いよりは?」

「……私も、同じもので」

 いよりは俺の顔を見て帰るのかとも思われたが、何とか一葉ちゃんのおかげで、このまま一緒に食事ができそうだ。