一葉ちゃんが、実際俺のことをどう思っているのかは分からないが、今の所は否定も肯定もしない。

 そんな中、俺が次に何かを言おうと口を開いた瞬間、チャリンッと木製の入り口扉が来客を知らせた。

 ハッと振り返ると、そこにはびしょ濡れのいよりが立っている。

「……いより」

 求めていた人がちゃんと現れ、一旦ホッとはしたものの、一葉ちゃんが手を挙げていよりを呼んだ瞬間、いよりは俺に気が付いて明らかに表情を歪めた。

「どうして……駿ちゃんが、ここに」