でも、どうしてだろう。

 どうにも先程の美野田さんの言葉に納得ができずに、俺はどこか上の空で涼香の言葉に頷く。

 友達って、なんだ? 邪魔しないでって?

 美野田さんにとっての幸さんって? 俺にとっての幸さんは?

 俺にとっての、幸さんは──

 ……と、ぼんやり前方の雨降る窓外を見ていると、ふと、想っていた彼女の横顔が一瞬だけ現れて、すぐに消えてしまった。