でも、ここで立ち止まっているわけにはいかず、俺は納得のいかない感情のまま、考え事をしながら十分先にあるカフェに到着した頃、ちょうどお店に入った入り口の椅子に涼香は座っていた。

「あ、篝君、今、中満席なんだって。ここで待って下さいって」

「そうなんだ。先に並んでくれてたんだね」

「次に呼ばれるらしいから、もうすぐだよ」

 手招きされ涼香の隣に座ると、再び入り口の扉が開いて次のお客が入ってきた。どうやらここは、人気のカフェらしい。