美野田さんとは、幸さんと出向いたA池で偶然会った後から、少し気まずい雰囲気を醸し出されていた。 元妻に近付く男の存在に、良い気がしないのかもしれない。 だから、何となく気まずさを感じながら仕事をしつつ、それでもお互い表面上は笑って過ごしていたものの、こうして美野田さんから笑顔で声をかけられるのは珍しいことだった。 「明日は休みですし、篝さんも楽しめたらいいですね」 「そうですね。それじゃあ、お疲れ様でした」