「あ、の……篝さん」

「賑やかな中を歩くより、こっちの公園突っ切った方が、静かで話しやすいと思いません?」

 言葉が、続かない。

 篝さんは、私のことを気遣ってエリアを避けてくれたのかもしれないのに、本人はさぞ何も思っていないかのような態度を見せてくる。

 たまに街灯があるだけの、雨降る広い公園の中を、ゆっくり歩くだけ。

 隣を見上げると、篝さんは穏やかな表情で私を見てくる。

「暗い所に行って、襲ったりはしないから、大丈夫ですよ」

「え……いや、そんなことは、思ってません……」