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双川さんがバイト生として入ってきて数日後、私は仕事終わりに、尚美と一緒に肉バルで夕飯を食べていた。
明日は土曜日でレストランウェディングが入っているため、お酒は控えている。
そして──
「あ、英木君、篝さん、こっちこっち」
遅れて同時にやって来た英木さんと篝さんが、私達のテーブルに近付いてきて、自然と英木さんは尚美の隣に、篝さんは私の隣に腰を下ろした。
篝さんに、尚美の彼氏である英木さんは、他の男の人よりは安心できる存在でもあるため、私は尚美が持ち出した誘いを断らなかったのだ。
篝さんの近くにいるのは、引け目を感じる時はあるものの、親友である尚美が同じ場にいると、気持ちも和らぐ。