「今はもう、友達なんですけれどね」

「そう、なんですか」

「そっかぁ、篝君、元気そう。随分、大人っぽくなってる」

 双川さんが、篝さんの昔の彼女……。

 何をどこまで突っ込んでいいのか分からず、一人脳内で慌てていると、双川さんは微笑んだまま、厨房から出来上がったハンバーグを運んでゆく。

 そっか、双川さんが、篝さんの……。

 私の知らない篝さんの昔の姿を、双川さんは知っている。

 二人は美男美女で、きっと凄くお似合いだったのだろう。