だが、篝さんと駿ちゃんはいつも通り奥の部屋に通されて、私も仕事に集中しようと顔を背けると、ちょうどそこに奥を見つめる双川さん。

 そして、どうしたのだろう、と私が尋ねるよりも前に、双川さんは自ら口を開いた。

「さっきの、篝君ですよね?」

「え……篝さんと、お知り合いなんですか?」

「私、昔、篝君と付き合ってたんですよね」

「……へ?」

 思ってみなかった発言に静かに驚きを表すと、双川さんはニコッと素敵な笑みを見せる。