『どうして・・・』



思わずそんな疑問が口を突いて出た

和真の住む街は、この駅からは7つも離れた大きな街

偶然で出会うなんて有り得るはずがない



『なん・・・で?』



もう二度と会うつもりもなかった和真に
あの日の記憶がフラッシュバックする・・・



『会いに、来た。
・・・侑月に・・・』



嫌悪感さえ感じてしまう目の前の男性は、あたしの気持ちをよそにそう言うと、

凭れていた街灯から体を起こし、あたしの方へと向き直った



『話がしたいんだ・・・』



そう言って、真剣な目をしてあたしを見据える和真

自分から裏切っておいて一体今更、何を話したいと言うのだろうか??



『あたしは

・・話すことなんて無い・・・』



精一杯、拒絶の意味を込めてそう返すと、あたしは、止まった足に力を込めた


話すこともないし・・・・・・話したくもない



正直な気持ち、そう思った・・・。