『多分、そーゆう記憶ってさ、女の子には一生残るもんだろ?』



男の衝動的な欲求とは違う
女の子にとってはもっと大事なものって気がするから

ゆづの記憶の中に、俺が、一生いい記憶として残るように・・・



『もう少しだけ、ゆっくりいこう。侑月』



さっきまで苦しいくらいに沸き起こってた、侑月を求める欲求は
今はもう、不思議なくらいに凪いでいて

腕の中で小さく丸まってる侑月が、ただ愛しい。


誰かをこんな風に大事に思う気持ち。

それは、俺にとっても初めて感じた感情だった。


『ごめんなさい・・・

あたし、退いちゃうよね・・・?』



また、瞳を揺らして聞いてくる侑月



『バカ!

大事にしたいって思っただけだろ?』



潤んだ瞳も、可愛い勘違いも、侑月のすべてが愛しくて心地いい。



『じゃあさ、一つリクエストしていい?』



侑月にじっと目を合わせて、呪文をかけるかのように説いた



『俺の誕生日のプレゼントをゆづにして?』



来月にはやってくる、俺と侑月の23歳の誕生日



『ゆづが22歳のうちにはちゃんと美味しくいただくからさ。』