予告どおり
柊は五時を少しだけ過ぎた夕方、我が家にやって来た。
まるで、飼い主に忠実な忠犬みたい
無いはずの尻尾が見えるような気がして、あたしはそんな柊をくすくすと笑った
『コラ、何が可笑しいんだよ?』
あたしの笑いの意味が読み取れず、怒ったふりをして柊が呟く
『とにかく上がって?』
1日かけてお掃除を頑張った部屋に案内すると
『うわ!すっげ〜』
テーブル一杯に準備した夕食に、柊が歓声を上げた
『ケーキも焼いたよ?』
『ん、甘い匂いがしてた』
目があって、お互いに笑い合う。
早速、ごはんにしようかと椅子を促すと、柊はそこへ素直に腰を下ろした。