- 千代 Side -
「陽、ありがとう」
私は
陽にものすごく憧れている。
陽が羨ましい。
__________・・・
どちらかといえば
大人びた小学生だったと思う。
でもやっぱり中身は人並みに子供で
おばけも宇宙人もサンタクロースも
頭では認めなくても
心のどこかではいると思っていたのだ。
しゃっくり100回したら死ぬかも
とビクビクしていたし
図工室前の薄暗いトイレの一番奥には
花子さんがいるかもと避けていた。
私だけじゃない。
子供の頃は
みんなそうだったはずなんだ。
馬鹿だったとか
純粋だったとかじゃなくて
__そうじゃなくてもっと
そういった存在を
大人よりも身近に感じられていた
そんなカンジ。