「うわっ
僕のところにジョーカーきちゃった!」
「それ言っちゃうの!?」
「どうせわかるじゃん」
僕達はお菓子を次々に口に入れながら
ババ抜きをした。
「ちなみにジョーカーは
僕から見て1番右に置きました」
僕がそう言うと
千代は真っ先に
左端を引く。
「えっ!
ジョーカーだ!
嘘つかれたっ」
千代は伸ばした足をバタバタさせた。
「簡単に信じちゃダメじゃん!」
「じゃあ、じゃあ、
陽、左端にジョーカーあるよ」
さあ、引け
というようにカードを突き出す。
僕と同じ手を使ったな
と思いつつ
左端を引いた。
「ジョーカーじゃん!!」
「私は嘘をつかないよ」
千代はいたずらっぽく笑った。