ハッとして目を覚ます。
強い西日が目にチカチカと入ってくる。
「もう夕方?!」
僕は髪をぐしゃっとかき揚げた。
「お互い爆睡だったよ」
千代はくすっと笑う。
「うわあー、もったいないことした!!
遊ぶ時間減ったよ!」
自分の頬を軽くペちペち叩く。
千代も真似して
自分を責めるように
手をグーにして頭をコツンとする。
「このっ!」
僕は思わず吹き出した。
僕の笑い声が草原に広がった。
千代もつられて笑った。
千代は気持ちのいい声で笑う。
意外にも
おしとやかな笑い方ではないけれど
下品ってわけじゃない。
そういう飾らない感じ。
多分素がこういう子なんだ。
僕だけが知っている姿だ。