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千代と一緒にいて
ふと思うことがある。
千代、可愛い。
ほんとに可愛い。
これは紛れもなく恋だと。
そして僕の初恋は
オレンジみたいなものだった。
2人でいればいるほどに
甘く
色鮮やかに
熟れていくオレンジ。
少し苦味かまあったり
腐って落ちてしまう実もあるけど
それを含めてオレンジ。
それでも、僕達は
熟れない青いオレンジだ。
橙色はほど遠かった。
「陽・・・」
なんだ、千代もそう思うの?
僕達はいつまで経っても
熟れないって。
「陽」
僕の体を揺さぶらないでくれ。
ごめん、臆病者で。
「陽!陽!起きてっ」