千代の家に行けば
必ず出てくる
千代のお母さんの手作りクッキー。

「やったあ!

いただきます」


僕は次々口に入れていく。


「あ、ずるい!」

後ろから声がしたから
振り返ると、
さっき会った時と違う服を着ている
千代が立っていた。


「私も食べる!」

千代はすぐクッキーに食いついて
僕の隣に座った。


シャンプーのいい香りが漂った。


僕もシャワーしておけばよかった
と後悔する。


そしてあっという間に
クッキーは全部僕達の胃の中に消えた。


「千代、必要な物入れておいたわよ」


タイミングよく千代のお母さんは
千代にパンパンのリュックを渡した。

「お母さん、ありがとう」


千代がリュックを背負い
準備が整った。



✲*゚