「千代、今日キャンプしない?」

ふと思いついた。
僕にしては名案だった。

「キャンプ!したい!」

千代の瞳が輝いた。


「場所は山にしよう!
千代は寝袋と夜ご飯とお菓子持ってきて。
テントは僕が用意するね」


僕達はお互いの小指を突き出し

絡めて、歌った。

「ゆーびきーりげーんまーん
嘘ついたら針千本のーますっ!
指切った!」


少しだけ恥ずかしさがあったが
歌いきると
自然と笑えた。


さっきまであった見えない壁が
いくばくもなく消えた。


「よし!
じゃあ僕、昼ご飯食べて準備できたら
千代のお家に迎えに行くね!」

「うん!」


僕達は大きく手を振りあって
駆け足でお互いの家へ帰った。



✲*゚