僕が疑われてる・・・?
「いやあ、ねえ、
今朝もラクガキがあってね
目撃証言が出たんだよ。
ただそう言われると
一応話を聞いておかなければいけない身分でして」
他にできる顔がないから
しているだけの笑顔を
千代のお父さんは作った。
心臓が鼓動するたびに
なんだか気持ちが悪くなっていった。
「昨日スプレー缶を持っているのを見た
って言うのがあって・・・
さらに今朝の10時
君によく似た少年が
ラクガキをして逃走した
という目撃があった。
君はその時何をしていたのかな」
千代と僕は顔を見合わせた。
「お父さん、陽はその時部活だよ。
陸上部のみんなも顧問の先生も
陽と一緒にいたよ」