僕はハッとして

固まった俊太を思い切り押して
千代から離れさせた。


そして空気を大量に吸い込んで叫ぶ。

「誰かーー!!助けてーー!

男達が女を殴ってます!!

誰かーーーー!!!」


〝男達〟のところで拓海、透、俊太を
指差した。


「ち、ちげえよ、

これは俺がやったんじゃねーよ」

俊太が後ずさりする。


僕はさらに大きな声で呼びかける。


「おい!もう行こう!」

「塾あと少しだしな!」