──放課後

「相澤~、ちょっと残ってげ~」

「え!…はーい…。」


絶対言われる…!!!

はぁ…。


先生に着いていくと
思っていた通り、生徒指導室だった。

先生と向かい合って座ると、
先生が口を開いた。

「…、なんでここに呼んだか、わかるか?」

先生は、優しいから聞き方も優しい…。


「…テストの点数が悪いから…です。」

「そう、そのこと。
それで……。」





──「…失礼しました。」

『このままだと留年になるかもしれないぞ』


先生にさっき言われた言葉が頭の中で
繰り返される。

…留年。


それだけはやだ!!

でもどうすればいいんだろう。

「はぁ…」

ため息を吐きながら教室に入ると、
もう誰もいない、と思っていたが、

1人残っている人がいた。

成績優秀で、女子からも人気のある
中川裕太だった。

私は、自分の荷物を持ってそそくさと教室を出た。