「……」




 パンケーキの焼ける匂いで目が覚める。



 ん? でも少し焦げてる感じの

 ……匂い?




「……?」




 誰かの家だったっけ?




「……えっ? パンケーキ?」




 あわてて飛び起きたら

 頭がズキッとして

 目が2倍に腫れているような違和感。




「……」




 あぁ、昨夜のヒドかった自分を思い出す。



 あれだけ泣きわめけば

 頭は痛いし、目も腫れるわ……。



 先輩に合わせる顔もない

 マジで何処かに埋まりたい。




「あっ、由似ちゃん起きた~? パンケーキ焼いてみたんだけど食べる?」



「えっ? 先輩が焼いたんですか!?」




 料理するくらいなら食べない人が

 どおしちゃったの?




「ん~、混ぜて焼いたら、出来た?」



「……」




 そうなんだけど、何か不安の残る言い方?




「でも、いつものパンケーキっぽくないんだよね~」



「……」




 見ると、小っちゃいお煎餅みたいな

 大きさの丸が、こげ茶色に

 何枚も焼きあがっていた。