「……」




 何この余裕の笑い

 気を抜いたら、ひとたまりもない感じ。



 あ、危なかった……。



 別の意味で、だけど

 心臓がバクバクした。



 頼むから、アタシを

 女子カウントするのやめて欲しい。



 出来ればずっと、頼りになる

 やさしい先輩でいてください。



 もう二度と軽口で

 あんな冗談言わないって

 アタシは、心底自分に誓った。




「――…で、今何時かわかる? 由似ちゃん」




 突然、仕事の時みたいな

 無表情な声のトーンで言われて

 ドキッと、した。



 時計を見ると

 2時15分を回っていた……。



 あっ、寝なきゃヤバい時間だ。



 先輩は少し起き上がって

 後ろの枕とクッションを縦にして

 斜めになる感じの体勢を取っていた。




「……2時18分、です」



「寝るからおいで?」



「え?」



 ど、どう言う意味だろう?



「寝れないんでしょ? もうちょっと寝やすそうな体勢にしてみたから」