「そうです、……一応オレ達は最初の出張催事1回までだったので、その後のスケジュールは2人の方から説明を受けてコミュニケーションを取っていってください」



「……」




 前もって、伝えていると言ってたのに

 この困惑ぶりは何だろう?



 こんなイレギュラーはめったにない

 時間もなかったし、先輩の方でも

 つめきれていなかったのかも知れない。



 アタシが、2人と同じ立場でも

 やっぱり不安になるだろう。



 ごめんね、2人とも。



 それら全ての原因が

 自分だと言う事が心苦しい……。




「と言っても同じ課だし、もちろん大型催事の時は一緒に入るから、成長ぶりを楽しみにしてるね、……じゃあ江崎、後は頼んだ」



「了解です」




 そう言って

 可児先輩が立ち上がったので

 あわててアタシも立ち上がる。




「可児さん! ……あのっ、あたしの、せいですか?」




 山角さんが、あわてて立ち上がって

 可児先輩をすがるように見つめた。