そう言い聞かせて素早く食材をカゴに入れる。
「…永和?」
後ろから聞こえた声に振り返る。
「あ、由良今帰り?」
「うん、俺も母さんに買い物頼まれて」
私のカゴを見て眉を落とす彼…由良に私は安心させるように笑った。
「いいよ、由良のこっち入れて。」
私は由良の持っているカゴに入った食材を私のカゴに移した。
「父さんは?」
「今日も帰らないって」
由良は何も返事をしない代わりに眉をぐっと眉間に寄せる。
「おい永和」
「何?」
「本当にいいのか?」
「しつこいよ」
「でも」
…これも、毎日する会話。
けれど家でのあの会話とはだいぶ違う。