「瑠衣、お互いまだ全然何も知らねーし
じゃあお前のどこが好きなの?って聞かれても
なんかわかんねぇけど、良いも悪いもこれから
知ってくれればいいから、俺と付き合ってくんね?」



真っ直ぐあたしの目を見つめて
ちょっと恥ずかしいのか、少し癖のある自分の髪の毛を
クシャクシャしながら顔を赤らめる陵弥。

あたしもすっごく恥ずかしくて中々顔を上げられずに
下を俯いていると

凌弥がぎゅっとあたしを抱きしめてくれた。


「今すぐに返事しなくてもいい。
恥ずかしいなら顔見なくてもいい。」



なんだか、抱きしめられた途端気持ちが落ち着いて
一歩凌弥から離れて、陵弥を見上げて


「あたしも、なんかわかんないけど
凌弥の事、好きだなって思った。
お互い少しずつ知っていければいいなって思う。
こんなあたしでよければ。。。」


一瞬下を向いたと思うと、とっても嬉しそうな笑顔で
あたしに抱き着くと、さっきよりも
もっともっと強い力であたしを抱きしめる凌弥。



「俺、こんな仕事してるし、不安にさせる事も
沢山あるかもしんねぇけどお前以外の女とは
プライベートは遊ばねーし小まめに連絡もする。
不安にさせねぇようにするから!!」


「うん、ありがとう!
あたしだって仕事夜だし、ある程度わかってるつもり。
大丈夫だよ、ありがとう、凌弥。」



こうして、イブの日の夜、あたしと凌弥は
付き合う事になった。


この時、凌弥が気持ちを伝えてくれなかったら
どうなってたのかわからないけど
凌弥と付き合って見るイブの景色は
ただでさえキラキラ輝いてる街並みが
もっと色鮮やかに見えて、とても綺麗だったよ。