僕の腕の中で、彼女は泣いていた。

僕は特に何も言わず、____というより、何も言えず、ただ、今までにないくらいに強く抱き締めていた。

そしてゆっくりとキスをし、僕も泣いて微笑んだ。

彼女が僕を思い出してくれたのかもわからない。

それとも元々忘れていなかったのか、もしかしたら、名前と顔だけ覚えていたのかもしれない。

その後すぐにひなたのお母さんや、ひなたの病院の人達がみんな来て彼女を連れ戻した。


最後の最後までひなたは、僕を救い出してくれた。
僕は結局、死ななかった。