姉には彼氏がいる。
冬郷ようさんだ。

ようさんとは二人で一緒にご飯に誘ってくれたり、
勉強を教えてくれたりするほど仲がよかった。

姉は本当に見る目があるようだ。

姉はようさんの話を幸せそうによく話す。

ただ今日は受験勉強で寝不足で、ほんの少しいつもより、イライラしていたんだ。

そんな話聞いてる場合じゃなかった。


「春斗〜、聞いてるー?」

その言葉で、今まで僕が溜めてきたものが一気に零れたような感覚がした。

「受験期のこのクソ忙しい時に病院なんて来てる暇無いんだよ」