ふと、目の前の景色に雪が降り注いだ。

白い雪が、ゆっくり、ゆっくりと静かに舞い降りてくる。

空を見上げると、まるで自分が雪の降ってくる空の方へ登っていくのではないかという錯覚に陥られる。

どこまでも、どこまでも。
きっと止まるということを知らずに。


雪の飾られたイルミネーションと街の景色は、まるで…。

そう、まるで、桜のようだ。

十二月の真冬に、白い桜が降っている。

私にはそう見えた。