イルミネーションを見て歩いていると、
横浜では珍しく、雪が降った。

今日は雪が降る、なんて予報もなく、突如降った雪に対し、

周りにいる人々は、子供はすごい、とはしゃぎ、

大人も珍しいね、と騒ぎ、
カップルはホワイトクリスマスだね、と笑い合っている。

僕も子供みたく気分が上がり、隣のひなたにすごいね、と声を掛けようとして顔を見ると、

僕とは逆に切ない表情で雪が降り注がれる空の方を見つめていた。

僕は、どうしたの?と問いかけると、ひなたは優しく笑い、綺麗だね、と言った。

ひなた事態が雪なのではないかと思えた。

きらきら光っていて、まるで触れることすら出来ないんじゃないかと思うくらい透き通っているひなたに、とてもよく似ている。

僕は、思ったままに、そうひなたに伝えると、ひなたはまた少し切ない表情に戻り、
ありがと、とまた笑う。

桜が好きな代わりに雪は嫌いなのだろうか、と疑問に思ったが、

ひなたは来年のクリスマスも降るといいね、と微笑んだまま僕の顔を見た。