あれから何ヶ月も過ぎた今になって
初めてその理由を知った。


鈴木、神社の家の子だったのね。
うちの大学には神道学科ないもんね。

でも鈴木、自分の夢があったんじゃないの?

別に良いんだけどさ一緒じゃなくても、
鈴木には鈴木の事情とかがあるんだから。


でもあの、
キラキラした目の鈴木が本当の鈴木なんだって
今ならわかる。

さっき、同じ瞳の鈴木がいた。

直ぐに鈴木は人に呼ばれて。
鈴木の言葉に返事も出来なかった。


さっきの言葉は簡単に言えることじゃないって
知ってる。
鈴木が絞り出した言葉なんだって知ってる。


そんなことを1人で考えていると、
ベテラン巫女の宮崎さんに声をかけられた。

「佐藤さん!もう3時だから休憩行ってきな!」
「はい!」
「休憩中におみくじ引いてきなよ」

そう言って宮崎さんは悪戯な笑顔を私に向けた。