〜現在〜












「あの、青山さん?」














固まってしまった青山さんの目の前で手を振ってみる。












「…………私と引き離した?」














私が言った言葉を繰り返す青山さん。














バレてしまっただろうか。私がまだあなたのことを忘れられてないことを。













「…………いや、松浦がそんな事……」














言う訳ないと、聞こえるか聞こえないかギリギリの声で呟いた青山さんは、













「ふー。」












って一息ついてから、私に告げた。















「お前は物凄い勘違いをしてる。」













そっと、私を離して私をソファーに座らせてくれる青山さん。













「でも、父がそう」













言ったんですとは言えなかった。













青山さんが、言葉を被せてきたから。













「お前が傷つかないように、関わらせないように。そう思って言ったんだろ。お前が無理をしないように。」














私がソファーに座ったのを確認してからキッチンらしき所に入っていく。













「飲むもん出さなくて悪かったな。りんごジュースだったよな好きなの。」













…………………なんで、覚えてるの。もう5年も前だよ?













「違ったか?誰かと勘違いする事なんてないと思うだがな。嫌いだったら俺のを飲めばいい。」