海に着くと、もう誰かがいた。それがせんせぇと分かるまでに、時間はかからなかった。 「せ~んせぇ!」 反応がなかった。 「桑名 雅人~!」 「なんだー! あっ、逢坂!」 せんせぇは、やっと私に気付いたようだった。 遅っ。私は、心の中でつっこんだ。 でも、声で私だと分かってくれたのは、すっごくうれしかった。