「葬式…」

その言葉を噛みしめながら、俺は、翌日を迎えた。


お通夜もお葬式も、何も考えられなくて、

ただ兄貴と会えないんだ

というぐらいだった。

俺以外の親戚はみな、涙していた。

お葬式が終わり、火葬場へ行くバスに彼女がいた。

涙を流して、いつもの明るい彼女がいなくって、哀れすぎて、俺は目をそらした。