中田 愛 【side】
「愛されたい」私は今日もTwitterで呟いた。
私は今日も“愛”を探して外に出た。
電車に揺られ街へ。
電車の中ではいろいろな人で溢れていた。
制服を着て通学途中の女子高生。
席に座って寝たフリをする中年サラリーマン。
イヤホンを付けて立ったまま外を見つめる女子大学生。
親の手を握り締めて辺りをきょろきょろと見回す幼い子。
「今日の晩御飯は何にしよっか?」
「ハンバーグ!」
隣でそんな会話が聞こえた。
あぁ…これが理想の家庭ってやつか。そんなことを思いながらぼーっとしていた。
電車をおりて改札口に向かった。
スマホの画面をタップする。
改札口を出てちょっとしたら声をかけられた。
「あいちゃん?」
黒縁メガネでちょっと痩せた30代前半の人。
「そうです」
私は今からこの人に“愛してもらう”。
駅を出て路地裏に2人で歩いた。
見た目が古ぼけたラブホテルに入った。