どうしてこうも、向日葵はこんなに素晴らしい音を作れるのだろうか。
 

会いたい。そして、見たい。なによりも楽しそうにピアノを演奏する向日葵を。
 

俺は、ドアの前に立つと、何の躊躇もせずに、ドアを勢いよく開けた。
 

俺は、笑った。
 

なぜかって?そんなの、決まってる。
 

向日葵が笑っていたから。上を向いて、目を瞑りながら、あまりにも楽しそうに弾いていたから。
 

俺は、走って向日葵に駆け寄った。
 

すると、今日は昨日と違って、俺の足音が聞こえたのか演奏を止めると、横を向いて俺の方に顔を向けた。
 

「え?日向君?来てくれたの?」 
 
「あ、うん。ごめん、遅れ…」
 
「やったー!ずーっと待ってたんだよ!来てくれないかと思ってたんだから!よかった、嬉しい!」


向日葵は、俺の言葉を遮って、火山が噴火したと表現できるくらいに、ものすごい勢いで喜びだした。
 

俺が来て、こんなに喜んでくれているのか…。