俺の答えに、女の子は手を差し出した。
「じゃあ、日向君だね。私の名前は、木下向日葵(きのしたひまわり)。向日葵でいいよ、よろしくね」
まさかの名前呼びに一瞬困惑したが、この子ならいいかなと思った。
「うん。よろしく、向日葵」
俺は、向日葵の手を握った。
向日葵、か。なんだか、彼女にぴったりの名前だ。本当に、向日葵のような輝かしい笑顔を持ってるんだから。
俺みたいに、名前と性格が反比例していない。
「それじゃあ、私はもう行くね。明日、放課後に音楽室でまた会おう」
「あ、ああ」
向日葵は俺の返事にニッコリと笑って頷くと、杖を持って歩きだす。
前を杖で叩きながらドアまで行き、音楽室を出ていく。
なんだか不思議な女の子だ。というか、子供みたいな子だ。
そこで、俺はあることに気づいた。