でも、今は違う。この人たちにどう思われようと、そんなことはどうだっていい。
俺が一番、想い、考えなくちゃいけないのは、向日葵なんだ。
「ひ、向日葵は…彼女は、かわいそうな子なんかじゃ、あ、ありません!」
しっかりと、女の人たちの目を見つめる。
絶対に逸らさず、恐怖から逃げないために。
「俺も、向日葵といられて、とっても幸せです!」
言いたいことは全部言った。俺は、深々とお辞儀をすると、俺は向日葵の座ってる机へ、慌てて走る。
「ひ、日向君…?」
机に戻ると、向日葵の心配そうな声が聞こえてきた。
心臓が、痛いくらいに跳ね上がっている。胃が、ぎゅっと締め付けられるように痛い。
俺は何も声が出せなかった。
「…日向君」
向日葵が、今度は優しい声を出す。
黙って向日葵の方を向くと、向日葵は瞳を潤わせて、微笑んでいた。
「ありがとね…」
その言葉に、俺は膝から、すべての力が抜けるように、崩れ落ちていった。