どうにかなるんじゃないか。
意外と、ずっと向日葵は生きてるんじゃないか。そうやって、正直期待してる自分がいる。
向日葵も、期待してるんだろうか。『死んでもいい』とか言ってたけど、案外希望を持ってるんじゃ…。
「日向君、どうしたの?早く行こうよ」
向日葵は、俺の思考を止めさせるように、俺の腕を握った。
また、ドキドキしてしまう。
なんなんだろう。恋心からなのか、それとも、向日葵はもうすぐいなくなってしまうという、恐怖感からなのか。
「…うん。行こうか」
俺は、とりあえず返事をすると、向日葵のお母さんの車に乗り込んだ。
大きな車で、中も革製で出来たシートや、ゆとりのあるスペースに、車も高級なやつなのだろうか、と思った。
俺と向日葵が、後部座席に座ると、向日葵のお母さんも運転席に座る。
「ここから、五分くらいだから」
さしてめんどくさそうな態度ではなく、本当に娘のために尽くしている、母親という感じだった。
「そ、それでさ、ショッピングモールに行って、何すんの?」
少し、緊張気味に問いかけた。
遊びに行こうとは言われたけど、モールに行くとは一言も聞いていなかったから、なんか緊張してくる。
「うーん、なにしようかな?特に考えてないや」
向日葵は、そう言って舌をペロッと出す。