なんだか、言い合いするのが当たり前みたいな感じだ。やっぱり、仲がいいんだろうか?
「でも、自分でも結構絵はうまいと思ってんだよね。空川も、こんど見に来いよ」
伊藤の招待に、俺は黙って頷いた。
伊藤の絵。なんだか、想像がつかない分、好奇心に煽られる。
「ほんじゃ、行くわ。じゃなー」
伊藤はくるっと俺たちに背を向けると、手を振って走り出した。
俺たちは三人で手を振りながら、伊藤を見送る。
ところが、すぐに黒西がはっとしたように、顔を上げた。
「あれ?そういえば、私たちも部活あったよね?」
「あ、忘れてた」
大川も、黒西と顔を見合わせる。
「え?二人も?」
すると、大川は頷づいた。
「そう。僕は剣道で、黒西が吹奏楽部」
「今はトランペットやってるの」
なんだか、二人の部活も意外なものだ。